バーナーとベント — 操作はこの 2 つだけ
片方で上がり、片方で下がる。3 つ目の操作は無く、その「無い」ことこそが設計そのもの。
熱気球の操作は 2 つです。初心者向けに簡略化した説明ではありません。これで 全部です。
バーナー
バスケットの上に据えられ、球皮の口へ向けて上を向いたプロパンバーナー。バルブを 引くと 2 m ほどの炎の柱と、大量の音が出ます。放せば止まります。
バーナーはたいてい二重で、別のタンクから供給される独立した 2 系統になっています。 火がつかないバーナーがもたらす結果が「飛行の終わり」ではなく「下向きの飛行の 終わり」だからです。
家畜の上や住宅の近くで使う、静かで効率の低い設定もあります。轟音を出さずに焚く ためのものです。気球にはこの種の作法が多くあります。他人の土地の上を低く通過する 乗り物だからです。
ベント
球皮のいちばん上には円形のパネルがあり、内側の熱気の圧力と、バスケットまで 下ろされたロープによって閉じられています。ロープを引くとパネルが開き、頂部から 熱気が抜け、気球は冷えて降下します。放せば圧力がまた密閉します。
下から布に押し上げられたパラシュートのような形なので、パラシュート・ベント と呼ばれます。着陸時にこれを最後まで引き切ると球皮は意図的にしぼみます。まだ 飛ばす気まんまんの風に、バスケットが畑を引きずられていくのを止めているのが これです。
バーナーは上。ベントは下。どちらも気球の向きを変えません。気球の向きを 変えられるものは、そもそも気球に載っていないからです。方角はまったく別の ところから来ます。なぜ気球には舵が無いのか をご覧ください。
「放す」とはどういうことか
どちらの操作も押している間だけ効きます。「この位置に固定しておく」設定は ありません。つまり気球の平常状態は無操作であり、何もしていない操縦士は 高度を保っているのではなく、冷えながらゆっくり降りています。
したがって高度を保つとは、その高さに居たいあいだじゅう、少しずつ定期的に焚き 続けることです。ダイヤルを合わせるというより、やかんを沸騰の一歩手前に保ち 続けるのに似ています。